食品メーカーのSNS、何を投稿すればいいか——3つの柱

「SNSはやったほうがいいと言われるが、食品メーカーが何を投稿すればいいのか分からない」。よくいただく相談です。おしゃれな写真を撮る自信もないし、若い担当者もいない。そう感じて、手が止まっている会社は多いです。
結論から言うと、食品メーカーのSNSに「映え」は必須ではありません。大事なのは、商品の裏側にある事実を、地道に伝え続けることです。この記事では、何を、どう投稿すれば、SNSが集客やブランドづくりの役に立つのかを整理します。
食品メーカーのSNSは「映え」ではない

SNSと聞くと、きれいな写真やバズる投稿を思い浮かべて、身構えてしまいます。ですが、食品メーカーがSNSでやるべきことは、話題を狙うことではありません。
お客様が食品に対して知りたいのは、誰が、どこで、どうやって作っているか、そしてどう使えばおいしいか、です。特に食べ物は、作り手や産地が見えると安心して買えます。派手さより、こうした事実を継続して見せることのほうが、食品では信頼につながります。一回の話題より、地道な積み重ねが効く世界です。
何を投稿するか——3つの柱
投稿のネタが思いつかない、という悩みは、次の3つの柱で考えると解けます。どれも、すでに社内にある事実です。
| 柱 | 投稿の中身 | 伝わること |
|---|---|---|
| 産地・作り手 | 畑の様子、生産者の紹介、収穫の風景 | 誰が作っているかの安心感 |
| 使い方・レシピ | おすすめの使い方、簡単なレシピ、戻し方のコツ | 買った後に使いこなせる自信 |
| 裏側・こだわり | 製法の工夫、なぜこの手間をかけるか | 価格で比較されない理由 |
この3つを回していけば、ネタが尽きることはありません。特別なイベントを起こす必要はなく、普段の仕事の風景を、お客様に見える形で切り取るだけです。プロのカメラでなくても、スマホで十分伝わります。
その商品の価値、お客様に伝わっていますか?
「いい商品なのに売れない」——その原因の整理からお手伝いしています。食品の現場を知る私たちが、御社の売り方を一緒に見直します。まずは現状を聞かせてください。
地道な発信で、少しずつ買われるようになった話
SNSは、始めてすぐに結果が出るものではありません。私たちの経験からも、そう言えます。
京都産乾燥野菜のブランドOYAOYAは、最初から売れていたわけではありません。商品ページの言葉や写真を見直し、SNSで産地の様子や作り手のこと、乾燥野菜の使い方を地道に発信し続けました。京都の伝統野菜であること、規格外の野菜を農家から適正な価格で買い取っていること——そうした事実を一つずつ伝えるうちに、共感してくれるお客様が少しずつ増えていきました。バズを狙ったのではなく、伝えるべき事実を、あきらめずに続けた結果です。
続けるコツは「完璧より継続」

SNSでいちばん多い失敗は、気合を入れて始めて、数週間で止まってしまうことです。SNSは、上手い一投より、続いていること自体が信頼になります。
- アカウントは一つに絞る:複数を中途半端に回すより、自社に合う一つを続けるほうが効きます。
- 完璧を目指さない:整った投稿を月に一度より、普段の様子を週に一度のほうが、伝わり続けます。
- ネタは3つの柱で回す:産地・使い方・裏側を順番に。迷う時間が減り、続けやすくなります。
そして、SNSは単体で完結させず、商品ページや自社サイトへの入口として使うと、集客につながります。投稿で興味を持った人が、次に商品を見に行ける導線を用意しておく。投稿を始めるのは自社でできても、3つの柱で毎週続け、商品ページや検索面と束ねて集客につなげる運用となると、片手間では止まりがちです。うまみ企画では、こうした食品メーカーのSNS運用と導線設計のお手伝いをしています。
その商品の価値、お客様に伝わっていますか?
「いい商品なのに売れない」——その原因の整理からお手伝いしています。食品の現場を知る私たちが、御社の売り方を一緒に見直します。まずは現状を聞かせてください。
まず、産地か作り手を一つ投稿してみる
SNSは、戦略を完璧に固めてから始める必要はありません。考えすぎて始められないのが、いちばんもったいない。
まずは、産地の様子か、作り手の紹介を一つ、スマホで撮って投稿してみる。反応を見ながら、3つの柱で続けていく。フォロワーの数はすぐには増えませんが、続けるうちに、事実に共感してくれるお客様が集まってきます。派手さより誠実さが効くのが、食品のSNSです。今週、一投から始めてみてください。
よくある質問
- どのSNSを使えばいいですか。
-
お客様がいる場所に合わせて選びます。写真で商品や産地を見せたいなら写真中心のSNS、レシピや使い方を動画で見せたいなら動画中心のSNSが向きます。最初から複数に手を広げず、自社に合う一つに絞って続けるのがおすすめです。
- フォロワーが増えないと意味がないのでは。
-
数の多さより、誰が見ているかのほうが大事です。少なくても、自社の商品に本当に興味のある人に届いていれば、購入や問い合わせにつながります。数を追うより、事実を丁寧に伝えて、深く共感してもらうことを優先してください。
- 写真を撮るのが苦手です。
-
プロのような写真は必要ありません。畑や厨房の普段の様子、作り手の手元など、飾らない現場のほうがかえって伝わります。明るい場所でスマホで撮れば十分です。見た目の完成度より、何を伝えるかを優先してください。
- 誇大な表現や、表示のルールが心配です。
-
食品では、効能をうたう表現や、根拠のない最上級の言い方は避ける必要があります。産地や作り方といった事実を伝える分には問題ありません。迷ったら、事実だけを、正確に。盛らない発信のほうが、食品では信頼されます。
伝えるべき事実は、すでにどの食品メーカーの現場にもあります。あとは、それを地道に、続けて見せるだけ。今週、産地か作り手の一投から始めてみましょう。
SNSに力を入れるべきか、それとも先に商品ページや売り方の見直しが必要か。迷ったときの手がかりに、経営フェーズ診断を使ってみてください。14問で、いま自社が力を入れるべき場所が見えてきます。
